男性の不妊治療はどんなことをするの?費用はどれくらい?

男性不妊の治療金額は?治療期間は?

最近になってようやく男性側の不妊治療についてもニュースで取り上げられるようになりました。一昔前は、不妊は女性のせいと蔑視されていましたが、不妊治療は夫婦2人の理解と協力があってこそ続けられるものです。
気になる男性不妊の場合の治療期間と費用ですが、不妊の原因によって異なります。
無精子症の場合で10~40万円、高度生殖医療が必要な場合(一般的な不妊治療では妊娠が望めない・母体が高齢出産である)で20~70万円とかなり高額になります。治療期間にも個人差があります。

男性の不妊治療はどんなものがある?

女性側も不妊の原因は人それぞれですが、男性も同じように原因はまちまちです。女性にとっても辛い治療ですが、男性にとってもデリケートな問題なだけにしっかりとした知識が必要です。

①精液検査

男性の1度の射精で採取できる精液の量と、精子の状態を調べます。精子の濃度、そして運動率や奇形率などを検査します。
精液は毎日、新しく精巣内でつくられますが、体調やストレスなどの影響を受やすいので、通常、複数回にわたって検査を行います。
精液の採取方法は、病院で渡された容器に自宅、もしくは病院で採取します。

②人工授精

タイミング療法からステップアップした不妊治療である人工授精では、女性の排卵日に合わせて採取した男性の精子を母体の子宮に人工的に入れ授精を促します。

人工授精には2つの方法があり、配偶者同士で行われる配偶者間人工授精と、第三者の精子を利用する非配偶者間人工授精があります。どちらの方法も夫婦間で十分な話し合いが必要です。

③体外受精

人工授精で妊娠に至らなかった場合、さらなるステップアップとして体外受精が行われます。摂取した精子と卵子が受精した後、子宮へもどします。
女性側も排卵誘発剤などで、できるだけ質のよい卵子が採取できるよう治療を受けます。
治療費が高額になるため、繰り返し施術するには負担が大きくなります。

④精巣精子採取術

男性が無精子症の場合に行われるのが精巣精子採取術です。射精による精子の採取が難しい場合、精巣などから直接、精子を採取します。
施術は麻酔をかけて行われ、精巣を小さく切開し、精子を採取します。入院の必要はなく、日帰りで行われますが母体の排卵のタイミングに合わせて行われます。
無精子症と診断さるのは男性にとっても大きなストレスとなるので、夫婦間でのコミュニケーションも必要となります。

⑤顕微授精

タイミング法、人工授精、体外受精でも妊娠ができなかった場合に行われるのが、顕微授精です。
体外授精とほぼ同じですが、顕微授精の場合は、採取した精子と卵子を体外で人工的に授精させてから子宮へ戻す点が違います。
顕微鏡でピペットを使い、卵子の中に直接精子を入れるので、妊娠する確率が上がります。

精液検査

女性側も不妊治療の際は、排卵される卵子の数や状態を検査しますが男性側も同様に、精子を採取して精子の数や運動率などを調べることで、適切な不妊治療の方針をたてることができます。
精子は病院の採取室で自慰によって採取するか、自宅で採取して病院へ持って行きます。できるだけ状態のよいままで保管する必要があるため、自宅で採取する場合は、できるだけすみやかに、人肌程度にあたためながら病院へ持ち込みます。
精子の量は、体調や生活リズムの乱れなどでも左右されるため、検査は一度だけではなく、数回行われることが多いです。

費用はどのくらい?

精子の数やまた運動率などごく基本的な検査項目だけであれば、精液検査も保険が適用されます。加入保険によって異なりますが、自己負担額は比較的安価な300円~1,000円程度で検査を受けられます。

ただし、検査項目が保険適用外の場合は5,000円~30,000円と高額になってきます。また、検査も複数回行われる場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。

検査内容は?

精液検査は、精子の状態を詳しく知るために行われます。射精できれば、妊娠するだけの能力があると誤解しがちですが、精子の数や運動率が極端に少ないと、射精はしても妊娠にはいたりません。

WHO発表している精液検査の正常値
● 精液量:1.5ml以上
● 精子数:3900万以上
● 運動率:40パーセント以上
● 奇形率:96パーセント未満
● 精子濃度:1500万/ml以上
● 総運動精子数(総精子数×運動率):1560万以上

人工授精

不妊治療では多くはまずタイミング法が試されます。その後のステップアップが人工授精ですが、タイミング法に比べて、人工的な要素が加わってきます。
採取した精子を子宮へ直接注入することで妊娠を手助けするので、例えば精子の数が少なかったり、運動率が低い場合も子宮口に近い場所に注入することで妊娠率がアップします。
施術は排卵のタイミングで行われ、精子を注入後に数十分ほど安静にしてからすぐに帰宅することができます。
精子を持参すれば、男性側が病院に来なくても行うことが可能です。

費用はどのくらい?

人工授精は残念ながら自由診療として扱われるため、保険は適用されません。1回の人工授精を行うと費用はおよそ2~3万円の治療費がかかります。
ただし、人工授精を行うために事前に受ける排卵誘発剤やホルモン剤などの飲み薬や注射は保険が適用されます。
トータル的には2~4万円程度が必要になりますし、人工授精も複数回行う場合があるので、治療方針を病院側としっかりと意思確認しておく必要があります。

人工授精の手順は?

人口授精は排卵のタイミングに合わせるため、排卵日を予想して行われます。排卵日を予想したら、卵子の状態と排卵日を超音波検査で確認し日程をたてていきます。
排卵から24時間以内がもっともいいタイミングなので、女性側はそれまでに基礎体温を測ったり定期的に通院して人工授精に備えます。
男性はタイミングに合わせて、自慰により病院、もしくは自宅にて精子を採取し指定の容器に入れて病院側に渡します。病院では、精子を洗浄し、状態のいい精子を取り出し女性の子宮へ直接注入します。
妊娠したかどうかは、人工授精を行ってから約14日後に検査をして確認をします。

体外受精

体外受精は、人工授精とよく間違われやすいですが不妊治療においては人工授精による妊娠が困難だった場合に次の段階として行われます。
人工授精との違いは、精子の採取までの過程は同じですが、体外受精では卵子も採取して人工的に卵子に精子を注入し受精させてから、その卵子を子宮に戻します。
受精させてから子宮へ戻すため人工授精より妊娠の確率があがります。入院の必要はありませんし、自宅で精子を採取しても行えますので男性が通院しなくても行うことが可能です。

費用はどのくらい?

体外受精は、保険が適用されませんので自費扱いとなり治療費が高額になります。およそ30~80万円ほどかかり、治療内容によっても幅がでてきます。
体外受精を行うだけの金額ではなく、それまでの治療を含んだ金額なので、不妊の原因や受ける治療によって増減します。

体外受精の手順は?

体外受精の手順は、人工授精とほとんど変わりません。医師側が採取した卵子と精子を顕微鏡で人工的に受精させる手順が増えるだけですので、治療を受ける側の男性にも女性にも特別な処置などはありません。
人口授精では、精子のみを子宮口近くに注入しますが、体外受精では受精した卵子を子宮に直接戻します。治療後は、女性は病院でしばらく安静にしたあと、帰宅することできるので入院の必要はありません。
妊娠したかどうかの確認も、人工授精と同じく治療後、約14日後に確認をとります。

精巣精子採取術

精巣精子採取術は、精液検査の結果、精子の数が少ない乏精子症や精子が無い無精子症の場合に行われます。
精巣の中に精子が1匹でもいる場合に、男性の精巣を切開し精子を取り出して不妊治療を行います。
男性が実際に病院で手術を受けますが、入院の必要はなく、切開もごく小さく切開するため負担は少なくすみます。所要時間は1時間前後です。
男性側は精子を採取するだけではなく、実際に手術を受けるので抵抗感を持つ人も多くいます。治療に専念できるよう、医師と夫婦間でしっかり話し合う必要があります。

費用はどのくらい?

精巣精子採取術を行うためには、精子の状態を調べるなどの事前検査に2~3万円。精巣精子採取術にはおよそ15~20万円の費用がかかります。
内、事前検査のみ保険が適用されます。

どんな手術手順なの?

精巣精子採取術を行う日の当日、外来として病院へ行き入院の必要はありません。
手術室に入ったら、局所麻酔をし陰囊の皮膚を1cm程度切開し精巣組織を採取します。組織から精子を取り出しますが、万が一、精子が採取できなかった場合は、別の箇所を切開して精子を採取します。
採取できた精子の数によっては、冷凍保存も可能ですが、費用が別途かかります。冷凍保存ができると体外受精に何度かトライする際に手術の負担を減らすことができます。

顕微授精

顕微授精は、顕微鏡を使って精子と卵子を人工的に授精させる方法で精子の運動率が低い場合や精子の形状に問題がある場合に有効とされています。
不妊治療の最終段階でもあり、タイミング法から人工授精、体外受精と段階を踏んでから顕微受精に進むと期間も費用もかかり、負担が大きくなっていきます。
採取された精子の1つを顕微鏡下で細いガラス管で取り出し、卵子の細胞質内に注入し、受精が確認されたら子宮へと戻します。

費用はどのくらい?

事前の検査から、実際の手術、精子の凍結保存などを含めると1回あたり40~60万円程度かかります。事前検査以外は自費になるため、病院によっても差があり総額で100万円近くかかる場合もあります。

顕微授精の手順は?

顕微授精を行う際は、事前に卵子を採取し準備をします。精子を採取したら洗浄・濃縮処理を行い運動能力や形態などがよい精子を1個を選別します。卵子、精子ともに可能な限りよい状態のものを選びます。
卵子の細胞質内に精子を顕微鏡下で注入し、24~72時間後に受精を確認できたら子宮へ受精卵を戻します。
妊娠したかどうかの結果は約14日後に検査をして調べます。

不妊治療への助成金について

度重なる検査や薬の投与などに加え、手術は自費になるため不妊治療の総額は、高額になりがちです。ましてや、どの方法であれ一度で妊娠できるとは限らず費用の問題は無視することはできません。

厚生労働省は不妊治療にあたる人に対して「特定治療支援事業制度」を設けています。所得制限などがありますが、夫婦の所得合計が730万円以下の場合に助成金を受け取ることができます。

しかし、審査はかなり厳しく戸籍上の夫婦のみに適用され、事実婚は対象外です。
特定不妊治療と言われる体外受精や顕微授精以外の治療法では妊娠が困難、もしくは妊娠できる可能性が低いと診断がある場合のみ、適用されます。

また助成金の限度額は1回につき初回のみ30万円。2回目以降から15万円が上限です。女性が40歳以上なら年に2回(初年度3回)、通算10回までなど上限があるので事前に良く調べる必要があります。

不妊治療前にしっかり助成金のことも調べよう!

いくら夫婦間で不妊治療へ取り組むことに積極的であったとしても、実際に必要となってくる治療費はどんどん重くのしかかってきます。
治療費の捻出で夫婦間が険悪になることも少なくありません。また費用がまかなえず治療を断念する夫婦もいます。
できるだけ費用を抑えられるよう夫婦ともに規則正しい生活や食事で体調を管理し、状態のよい卵子と精子が提供できるよう努め、治療が少なくすむように夫婦で協力しあいましょう。そして助成金を上手に活用して納得の行く治療が受けられるようにしましょう。

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